ADD国立市
プロジェクトニックネーム
「ほうかごダンス隊」
実施地域
国立市
多摩中部に位置する国立市は、人口約76,000人。国立駅前から伸びる大学通りと桜・イチョウの並木がシンボルです。一橋大学を中心に文教地区として開発された経緯があり、郊外の住宅地として知られますが、東日本で最も古い天満宮である谷保天満宮も有名です。「ADD国立市」の拠点である「くにたち市民芸術小ホール」に集まった子供たちが、フラダンスやラクロス、トリニダード・トバゴの民俗舞踊などを体験しました。
実施拠点
くにたち市民芸術小ホール 東京都国立市富士見台 2-48-1
くにたち市民芸術小ホールは、約300席の舞台ホール、ギャラリー、スタジオ、音楽練習室、アトリエなどを備えた公共施設。「くにたち文化・スポーツ振興財団」が運営を担う。発表会や展示といった市民の芸術活動に利用されている他、主催事業としてコンサートや映画上映会、演劇・ダンス公演、落語、ワークショップなどを数多く展開している。「くにたち市民総合体育館」も隣接している。
https://kuzaidan.or.jp/hall/
プロジェクト構成
派遣舞踊家
砂連尾 理
[ダンサー・振付家]
リサーチャー・振付アシスタント
木村 玲奈
[ダンサー・振付家]
音楽(発表会): 片岡祐介、安藤容子
アシスタント:大園康司、豊田ゆり佳
制作:村松薫
共催 : 公益財団法人くにたち文化・スポーツ振興財団
リサーチ&ワークショップの記録 木村玲奈+武藤大祐
1. リサーチ
国立市は大学などもある文教地区で、独自のコミュニティ活動を展開している個人や団体も多い。ADD国立市の実施拠点となった「くにたち市民芸術小ホール」では、バレエ・ジャズダンスの練習や発表会のほかに、主催事業としてコンテンポラリーダンスのワークショップも行われている。
リサーチ2. ワークショップ
ADD国立市の実施拠点「くにたち市民芸術小ホール」では音楽・演劇・落語・ダンスなどの様々な催しを行っている他、音楽練習室やスタジオ、アトリエなどもあって、市民に親しまれている。1階のロビーは開放されていて、放課後は子供たちが勉強やゲームをしに集まってくる。児童館ではないが、子供たちの居場所として機能しているようだ。
ワークショップ3. 再始動:創作ワークショップ
国立市では8回目のワークショップを終えた頃にコロナ禍で中断し、1年3か月の後、オンラインと現地開催を組み合わせて再始動。4回のプログラムを実施した。集まった6人の子供たちに踊りを教えて頂いたのは、前回に引き続き佐藤華さん(ヒップホップ)、そして新たに大竹美奈子さん(盆踊り)、カレフア吉田さん(フラ)、久保田正美さん(身体表現)。さらにモリースさんに教わったベレを砂連尾さんが教えた。
再始動:創作ワークショップ4. 発表会
くにたち市民芸術小ホールのメイン施設である「ホール」を会場に、保護者や関係者を招いて実施。子供たちが、盆踊り、ベレ、フラ、そして自分たちのオリジナル振付を、講師の皆さんや砂連尾さんとともに踊った。ゲストの片岡祐介さんによる即興演奏(ピアノ、打楽器)、さらに地元から安藤容子さん(サックス)も参加して、子供たちのパフォーマンスを楽しく盛り上げた。
発表会ADD国立市対談
地域の先輩 ADD国立市ワークショップ講師
鈴木 直文
すずき なおふみ
佐藤 華
さとう はな
モリース・モランスィ
カレフア吉田
かれふあ よしだ
大竹 美奈子
おおたけ みなこ
久保田 正美
くぼた まさみ
ADDに参加した皆さんの声
「難しかったけど、面白かった」
「みんなで創作ダンスをやって、他の人が作ったのをやるのが楽しかったです」
「めっちゃ疲れたけど楽しかった」
子供たち
「砂連尾さんから ADD のお話を伺ったとき、大変うれしく二つ返事でお受けしました。というのも、当ホールを特徴づける事業として現代ダンスにちょうど取り組み始めていた時で、当分野の第一線で活躍するアーティストや専門家の方々と協働できる大きなチャンスであると感じたからです。また、『ダイバーシティ』の観点が地域ホールとして重要である中、なかなか具体的かつ継続的な事業につながっていなかったからです。
『地域の先輩』探しや、実行委員会の皆さんによるリサーチ、それを受けた参加募集、ワークショップと順調にプロジェクトが始まり、元気な子供たちが当ホールに通ってくれるようになりました。そして突然の思いもかけぬコロナ禍による事業中断。しかしながら知恵を出し合い、できることに取り組み事業実現へと結び付けた委員会の皆さんの思い、参加の子供たちおとなたちの存在に、ADDのみならずこれからの当ホールの在り方や方向に大きな示唆をいただきました。
現代ダンス、子供たち、地域にいる様々なおとなたち、そしてダイバーシティ。ADDが内包するさまざまな要素を展開させ編集し拡げるミッションを受けていると感じています。できることなら、国立市の文化芸術施策の柱としていければと夢を抱いているところです」
斉藤かおりさん(くにたち市民芸術小ホール)
「最初は、よく知らない国の踊りなんてあんまり興味がないんじゃないかと思ってたんですよ。でも実際始まってみると、子供たちが夢中になって私たちのダンスや文化を学んでくれて本当にビックリしました」(モリースさん)
「ダンスはたぶん、一番楽しく異文化を知る方法だと思います。だから子供たちが大人になって、ADDで習ったベレの歌を不意に思い出して、あれ?これはどこで聞いたんだっけ...なんていう風になるんじゃないかな(笑)」(ズィアさん)
モリース・モランスィさん&ズィア・ホールダーさん
「私自身、十年以上タヒチアン/フラ一筋でやって来たので、ここで他の踊りにふれたことで『ああこうやって教えるんだ』とか、創作のアイデアとか、とても刺激になりました」(真渚さん)
「年齢や性別の垣根とか、ジャンルの垣根がないところで、みんなで新しいものにチャレンジしていくということが、自分の住んでいる所でできるのは、新たなコミュニケーションだなと思いますね」(カレフア吉田さん)
カレフア吉田さん&吉田真渚さん
プロジェクト概要
プロジェクトロゴ(デザイン:岡崎デザイン)
会場:くにたち市民芸術小ホール、くにたち市民総合体育館
対象:国立市在住の小学3~6年生
参加:無料・要事前申込
参加募集コピー:
この街のいろんなダンスを体験して自分だけのお気に入りに出会っちゃおう!
新しい部活動「ほうかごダンス隊」参加者募集!
Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13「放課後ダイバーシティ・ダンス」では、ADD 国立市ワークショップ「ほうかごダンス隊」をスタートします。2020年の夏に向けて、くにたち市民芸術小ホールでは、毎月さまざまなダンスに出会えるワークショップを開催していきます。プロのダンサーや、国立市の地域文化を支えるさまざまな方々(地域の先輩)から、さまざまなダンスを学んでみませんか? ダンス経験がある人もない人も、しょうがいのある人もない人も参加できます。
★普段からダンスをやっているキミは、さまざまなジャンルのダンスを体験してさらなるスキルアップに!
★はじめてダンスに挑戦するキミは、カラダを動かすことの楽しさにハマっちゃうかも?
ワークショップ募集チラシ
リサーチ
2019年4月〜9月
ワークショップ
第1回 2019年9月27日(金)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)
第2回 2019年10月4日(金)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)、木村玲奈(コンテンポラリーダンス)
第3回 2019年11月1日(金)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)、村松薫
第4回 2019年11月15日(金)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)、鈴木直文(ラクロス)
第5回 2019年12月13日(金)
講師:佐藤華(ヒップホップ)
第6回 2020年1月17日(金)
講師:鈴木直文(ラクロス)
第7回 2020年1月31日(金)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)
第8回 2020年2月21日(金)
講師:モリース・モランスィ&ズィア・ホールダー(ベレ)
第9回 2020年2月28日(金)
講師:谷保天満宮獅子舞保存会[中止]
第10回 2020年3月20日(金)
講師:長谷川智 (修験道)[中止]
ワークショップ(再始動)+発表会
*第1・2回はオンライン開催
第1回 2021年5月17日(月)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)、佐藤華(ヒップホップ )
第2回 2021年5月21日(金)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)、カレフア吉田(フラ)
第3回 2021年5月24日(月)
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)、久保田正美(身体表現)
第4回 2021年5月29日(土)
関係者向けの発表会
講師:砂連尾理(コンテンポラリーダンス)、大竹美奈子(盆踊り)、佐藤華(ヒップホップ)、カレフア吉田(フラ)、久保田正美(身体表現)
©三浦博之
派遣舞踊家
砂連尾 理 じゃれお おさむ
[ダンサー・振付家]
1991年、寺田みさことダンスユニットを結成。2002年、「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2002」にて、「次代を担う振付家賞」(グランプリ)、「オーディエンス賞」をW受賞。2008年度文化庁・在外研修員として、ドイツ・ベルリンに1年滞在。近年はソロ活動を中心に、しょうがいのある方や高齢者とのダンスも展開している。著書に『老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉―ダンスのような、介護のような―』(晶文社)。立教大学現代心理学部・映像身体学科 特任教授。
©Mikio Tazoe
リサーチャー・振付アシスタント
木村 玲奈 きむら れいな
[ダンサー・振付家]
2008年よりショーネッド・ヒューズの作品に関わる。2012年、「 国内ダンス留学@神戸」振付家コース1期修了。環境や言葉においての身体の変化や状態、人の在り方に興味を持ち、国内外様々な土地で創作を試みている。「横浜ダンスコレクション2014」および「TOYOTA CHOREOGRAPHYAWARD 2014 」ファイナリスト。2019-2020年度セゾン文化財団ジュニア・フェロー。
鈴木 直文
すずき なおふみ
一橋大学大学院社会学研究科教授。スポーツとソーシャルインクルージョンを研究。ラクロス元スコットランド代表。ソフトラクロスを子供たちに教えるイベントや、学生と新しいオルタナティブスポーツ作成を行う等、スポーツの枠を溶かしながらスポーツの場をSelf-expression (身体で自己表現する) できる場所にしていきたいと考える。現在、ダイバーシティサッカー協会代表。
佐藤 華
さとう はな
小学校教諭。国立市立国立第六小学校在任中のダンスクラブ指導をきっかけに、保護者と協力してダンスチーム「LOCK★SHOW」を立ち上げる。「LOCK★SHOW」ではHIPHOP、ジャズ、ロックダンス等を取り入れているほか、子供たち自身も振付を行い、ストーリーやテーマ性のある創作作品を発表。国立市出身、在住。
モリース・モランスィ
トリニダード・トバゴ共和国出身。西インド諸島大学人文学部フランス語科と言語学科卒業。大学時代、合唱部の活動で《クレイジー・フォー・ユー》《アイーダ》《サウンド・オブ・ミュージック》等のミュージカル、卒業後は《レント》《リトル・ショップ・オブ・ホラーズ》《ザ・ウィズ》に参加。6年前に来日し、東京都立府中工業高等学校にJET講師として勤務している。盆踊りが得意。
カレフア吉田
かれふあ よしだ
フラ/オリタヒチ講師。2008年より国立市内にてスクールを開校。指導をしながら、自身もダンサーとして、2009年、日本最大のコンペティションであるTahiti Heiva in Japan個人部門にて優勝。現在、国立市民体育館事業や後進の指導などにも携わっている。
大竹 美奈子
おおたけ みなこ
9月6日生まれ(おとめ座)。立川生まれ・国分寺育ち・国立在住30年。3歳よりバレエ・モダンダンス・日舞などを習い、10代後半からバックダンサー等を経て数々の踊りを踊り散らかし、現在は盆ダンサーとしてあちこちの盆踊りに参加。好きな物はおはぎ。
久保田 正美
くぼた まさみ
静岡県富士市出身。国立市にて「からだの学校」主宰。剣道初段。ヨガや野口整体、気功なども学ぶ。寺山修司主宰の演劇実験室「天井桟敷」に出演。趣味は登山や散歩やイラストやギターやビール飲むことや読書。ダンスパフォーマンス歴50年、しかし踊りはうまくありません。
ADD港区
ADD国立市
ADD日の出町